突然そんな日はやってくる
17年前の春
下の娘の幼稚園の入園式直前、夫の父が倒れました。
もともと肺がんを患っていたのですが、転移したのです。
記憶が曖昧ですが、すぐ近所の医療センターに入院することになりました。
結婚して10年、夫の実家近くに家を建て、まさにスープの冷めない距離間で
両親との関係も良くもなく悪くもなく…
いや、実際のところは舅は最初から強く同居を望んでいたようで
私が強引に別居を進めたような状態でした。
それでも、お祭りの時や、お盆、お正月の親戚の集まりには、それなりに頑張って
長男の嫁として、役目は果たしてきたつもりです。
姑は元来明るい人で、おしゃべり好き。誰からも愛されるような元気な人でした。
ただ、家の中の整理が苦手で、食事作りもそこそこ、舅と二人で毎日歩いて近くの喫茶店に食事に行っていました。
実は、その頃より糖尿病が悪化しており、これが後々病気を発症させる原因のひとつになるのです。
舅が入院し、その間姑を一人にできないので、毎晩うちで食事をしてもらうことになりました。
一人で生活ができないということはなかったのですが、夫が心配していました。
やはり食事については、ほとんど自分で準備出来ない状態だったのです。
舅と二人でいることで、なんとか生活は成り立っていたようです。
17年前のことなので記憶がはっきりしませんが…
舅が入院して程なくして、
私の家で、夕食を食べている途中、突然、姑の話し方がおかしくなりました。
呂律が回っていない。それから左手がおかしい。顔の半分もなんかおかしい。
自宅に初めて救急車を呼びました。看護師をしている隣人も心配して覗きにきてくれました。二人の救急隊の方が掘りゴタツの天板を外し、姑はコタツの下に寝かされて、担架に乗せられました。
もう何が何だかわからない。夫と小さな娘たちと、ただ呆然と見ていました。
脳梗塞でした。やはり、少し前からその兆候はあったのです。
糖尿病による合併症。食事作りや家の片付けが出来なかったのも、脳血管性の認知症によるものだったのでは。
今になって、そう思えます。
ただ、その頃はなんの知識もなく、子どもも小さく、色んな意味で余裕がありませんでした。
両親ともに入院することになったのです。
突然、そんな日はやって来たのです。